【サラリーマン投資】自社株買いとは?なぜ株価が上がる?

投資初心者やサラリーマンのみなさんにとって、株式投資のニュースは難しく感じられることも多いですよね。
今回は最近ニュースでもよく耳にする「自社株買い」について、初心者でも理解できるように分かりやすく解説していきます!

目次

自社株買いとは

2024年の調査によると、国内企業の「自社株買い」の総額はなんと17兆円を超え、過去最高を記録しました。
では、自社株買いとはいったい何なのでしょうか?

自社株買いとは、文字通り企業が自分の会社の株を市場から買い戻すことを指します。
買い戻した株式は「金庫株」として企業が保有したり、消却(完全に消すこと)したりします。

自社株買いは、簡単に言うと、
「会社が、自分たちの株を市場(株式市場)から買い戻すこと」
を言います。
つまり、自分で自分の株を買うイメージです!

イメージとしては、企業が市場に出回る自社の株式の数を減らすことで、株主にメリットを提供する手法の一つと言えます。
それでは、なぜ株主にメリットが提供できるんでしょうか。

なぜ自社株買いをするのか

なぜ会社は自社株買いをするの?
主にこんな理由があります。

株価を上げたいから
株を買うと市場に出回る株が減るので、1株あたりの価値が上がりやすくなる
それを期待して、投資家がさらに買う→株価が上がる流れになることも。

お金の使い道として効率がいいから
会社にたくさん現金があって、特に使い道がないとき、株を買い戻して株主にメリットを与えようとすることもある。

株主への還元(お返し)のため
配当金を増やすのと似た意味で、株を買い戻して株主の利益を上げようとする。

★主な目的★
株主への利益還元:企業が稼いだ利益を直接株主に還元する方法の一つです。
株価の安定・上昇:市場の株式数が減れば1株当たりの価値が高まり、株価が上がる傾向にあります。
敵対的買収への防衛策:外部からの敵対的買収を防ぐため、自社株を増やして経営権を安定化させます。

また、自社株買いで得た株式は金庫株として将来的に再度市場に売り出したり、従業員にストックオプションとして付与するなどの用途もあります。

株価は上がるのか?

自社株買いをすると何が起こるの?
自社株買いをすると、こんな変化があります。

株の数が減る
 → 1株あたりの利益(EPS)が増える
 → 株が「お得」に見える
 → 株価が上がることが多い!
(※必ず上がるとは限りませんが、プラス材料と見られることが多いです。)


イメージで説明すると

たとえば、クッキーを100枚配っていた会社が、
「余ったクッキー20枚を回収します!」と言ったら?

残った80枚のクッキーは、今までより希少で価値が上がる感じです。
株も同じで、数が減ると価値が高くなりやすいんです!

自社株買いによって、市場に流通する株式数が減少すると、1株当たりの利益(EPS)が上昇します。
EPSが上がると、株式の割安度を示すPER(株価収益率)が低くなるため、株価が割安に感じられ、買い注文が入りやすくなります。その結果、株価が上がるという仕組みです。

ROE(自己資本利益率)との関係
ROE(自己資本利益率)とは、企業が自分の資本(株主のお金)を使ってどれだけの利益を上げているかを示す指標です。計算式としては、利益(純利益)を自己資本(株主が投資したお金)で割ったものです。
簡単に言うと、会社が持っている資本を効率的に使ってどれだけ利益を稼げているのかを見るための指標になります。

例えば、同じ1億円の利益を稼いだ企業でも、資本が10億円の会社と20億円の会社ではROEは異なります。前者の企業はROEが10%(1億円÷10億円)、後者の企業はROEが5%(1億円÷20億円)になります。
ROEが高いほど、企業が資本を効率よく使って利益を出していると評価されます。

ここで自社株買いが行われると、企業は自分の株を買い戻すために手持ちの資金(自己資本)を使います。つまり、自己資本が減少します。
自己資本が減れば、同じ利益額でもROEの分母が小さくなるため、ROEが高くなります。このため、自社株買いは投資家から「資本効率が良くなった」と評価され、企業の魅力が高まり、株価上昇を促す要因となります。

自社株買いのメリット・デメリット

続いて、自社株買いのメリット・デメリットです。
メリットだけあるようにも思えますが、デメリットもあります。

★自社株買いのメリット★

 株主への利益還元や株価上昇
:株価が上がり株主にメリットがある。
 敵対的買収に対する防衛策:外部からの買収リスクを軽減。
 財務体質の向上・改善:株価上昇や財務指標改善で企業価値が向上。
 投資家からの評価向上:株主還元に積極的な企業として評価が上がる。
 ストックオプションへの活用:従業員のモチベーションアップや優秀な人材確保に活用。

株主への利益還元や株価上昇だけではなく、最近話題になることも多くなった、敵対的買収に対する防衛策でもあるんですね。
それでは、続いてデメリットです。

★自社株買いのデメリット★

自己資本比率低下による株主離れの可能性
:自己資本が減ることで企業の財務の安定性に疑問が出る場合がある。 
手持ち資金の減少:自社株買いで手持ち資金が減ることで、資金繰りが悪化するリスクもある。

    上記のようにデメリットもあり、自社株買いをするタイミングも見計らう必要があります。
    注意点としては、自社株買いしたからと言って、必ず、株価が上がるわけではないのです。
    ここは、投資家が、企業の状況を見極めなければいけません!

    投資戦略

    自社株買いを発表した企業への投資戦略としては、以下のポイントをチェックしましょう。

    ★自社株買いの投資戦略★
    実施の規模と期間
    :規模が大きく、期間が明確な自社株買いは効果が期待できます。
    企業の財務状況:現金が豊富で財務健全性が高い企業は、自社株買いによる株価上昇効果が出やすいです。
    市場の反応:発表後すぐに株価が上がることが多いため、タイミングを見極めて投資することがポイントです。

    あくまでも一つの指標になりますので、しっかり企業の業績、財務状況を見ながら、慎重に検討しましょう。

    投資初心者の方は、まず小さな金額で始めてみるのもおすすめです。
    そして、株を購入した企業が、自社株買いを発表した時に、株価が上がるか、下がるかを見てみるのが良いと思います。
    その時に、企業状況を調べ、どうして上がったか、下がったかを分析すると楽しいですよ。

    まとめ

    今回は、自社株買いの基本的な仕組みやメリット・デメリットについて解説しました。
    難しく感じるニュースも、仕組みを理解するとぐっと身近に感じられるはずです。
    自社株買いは投資戦略としても注目のポイントなので、今後の投資活動にぜひ役立ててください!

    それではまた次回の記事でお会いしましょう!

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